野菜の栄養や取り方は保存・切り方・加熱の方法によって栄養素が大きく変わるって本当!?野菜の栄養の上手な取り方とは!?健康や美容への効果を最大限に引き出す方法3つを紹介します!
健康や美容への効果を期待して野菜類を食べる方も多いですよね。でも調理や保存の仕方によって、栄養素が大きく変わってしまいます。身近な野菜の栄養を上手に摂取する3つとは。
意外と知らない人が多い!?
「保存・切り方・加熱。この3つが大切」と話すのは、東京慈恵会医大病院栄養部課長で管理栄養士の濱裕宣さん。
Contents
1 “タマネギ”の切り方と調理方法
まずは、タマネギ。含有成分が変化して生じるアリシンには、疲労回復や血流を良くする効果などがあるとされますが、タマネギを水にさらすと成分が流出してしまうそう。
「タマネギをあめ色に炒めると、甘味とコクは出ますが、ビタミン類はほぼ残りません」。
普段の何気ない調理で栄養を取り逃しているそうです。
アリシンの摂取に重要なのは『切り方』
みじん切りや、すりおろした後、約10分置いて調理するのが最適なのだそう。
スープや煮物に使う場合は、ゆでる前に油で約1分炒めるとアリシンの流出防止になるとのこと。
2 “トマト”の『保存法』と食べ方
完熟前で少し皮が硬めのトマトを常温の日陰に数日置くと、
肌の血管の老化予防作用があるといわれるリコピンの割合が増加する。
トマトを紙で包み、実が傷まないよう、へたの側を下に置いておくと、色も味の濃さも増し、おいしくなるそう。
逆に、完熟後に放置すると、ビタミンが低下するので注意が必要です。
トマトや人参は、油と一緒に食べると栄養吸収が良くなるという。
3 “ピーマン”の切り方と食べ方
捨てて当たり前と思われがちな部位に、栄養が多い野菜があります。それがピーマンです。
ピラジンと呼ばれる成分で、血栓や脳梗塞などの予防に効果的とされています。
種とわたの部分に果肉の約10倍も多く含まれるそうです。
一見食べにくそうですが、肉詰めピーマンに混ぜたりすれば、食べる時に気になりにくいです。
種やわたを捨てずに料理法を工夫することで栄養素を豊富に吸収できそうですね。
★栄養が豊富な皮も大事!
大根は、中心部より皮付近にビタミンCが多く、一方で、消化酵素は熱に弱い。このため、皮をむいた大根をゆでるのは栄養的にはNGで、皮ごとすりおろして汁も一緒に食べるのが、ビタミンCと消化酵素を最大限摂取する方法という。
ジャガイモも、皮付きで茹でればビタミンの流出防止に役立つ。皮は鉄分などの栄養素が豊富。
★食べる順や時間帯も大事!
野菜のどの部位を先に食べるか、食べる時間帯によっても、摂取できる栄養が変わってきます。
知っておきたいポイントの一つは「生長点」。
果菜類には「収穫後も生きようとする強い力」があるため、成長する部位を残しておくと「栄養はどんどん減ってしまう」そう。
例えば、白菜は中心部が「生長点」なので、内側から先に食べた方が栄養を取れるという。
人参などの根菜類は、中心部から葉や周囲に栄養が送られるため、葉はすぐに切り分け、輪切りで食べると良い。
大豆の発酵食品の納豆は、夜食べる方が良いという。成長ホルモンの分泌促進に関わるとされるアルギニンや、血液をさらさらにするといわれる酵素のナットウキナーゼが睡眠中に作用しやすくなるという。
炊きたての熱いご飯だと、ナットウキナーゼの働きが悪くなりまるので、ほんのり温かい40度台が適温です。納豆も食べる前の約20分は常温にしておくとよいそうですよ。
食べる直前に冷蔵庫から出しがちですね><
★野菜の栄養摂取のポイントのまとめ★
【タマネギ】
みじん切りやすりおろしにした後、約10分置くとアリシン活性化
【トマト】
完熟前なら日陰に常温で数日置くとリコピン増加。
油と一緒に食べて吸収率アップ!
【大根】
皮ごとおろして、汁も一緒に食べ、ビタミンや消化酵素を摂取
【ピーマン】
種やわたには、果肉の約10倍のピラジン
【ジャガイモ】
皮は鉄分などが豊富。皮付きでゆで、ビタミン流出防止!
濱さんは、こうした知識やアドバイスをまとめた「その調理、9割の栄養捨ててます!」(世界文化社)を、同病院栄養部係長で管理栄養士の赤石定典さんと一緒に監修し今春刊行しました。
ちょっとした事で、こんなに栄養素の摂取が変わるなんて…。
毎日調理しているのですから、栄養素は最大限に体内に吸収したいですよね!